日本選手団 団長 戸髙空
日本代表選手 | |||
飯島亜海 | 桜蔭高等学校2年 | ||
銀メダル | 大野栞 | 筑波大学附属高等学校3年 | |
藤居星 | 北海道札幌南高等学校1年 | ||
銅メダル | 山下結菜 | 東京都立小石川中等教育学校2年 | |
日本選手団役員 | |||
団長 | 戸髙空 | 京都大学3年 (IOI 2019選手) | |
副団長 | 米田優峻 | 東京大学2年 (IOI 2018 特別参加選手、IOI 2019・2020 選手) | |
随行員 | 廣江彩乃 | お茶の水女子大学大学院修士2年 |
EGOIは個人戦であり公式データとしての国別順位は存在しない。公表された成績に基づいて算出したところ、メダル獲得数による日本の国別順位は 19 位であり、総得点による日本の国別順位は 15 位であった。
競技 1 日目 | 部分集合Mex (SubsetMex) |
レゴ壁 (Lego Wall) | |
ソーシャルネットワーク (Social Engineering) | |
観光客 (Tourists) | |
競技 2 日目 | データセンター (Data Centers) |
スーパー駒 (Superpiece) | |
おもちゃの設計 (Toy Design) | |
千花はズルをしたい (Chika Wants to Cheat) |
いずれも数理的思考力が問われる良問である。各課題はいくつかの小課題に分割されている。小課題の中には、単純な実装で得点が得られるものから、高度なアルゴリズムを実装しないと得点が得られないものまで含まれている。従って 1 つの課題を丸ごと落として 0 点になってしまう可能性は少ないが、満点を取るのは難しい。
また、すべての問題の満点の配点は同じため、比較的簡単な問題では満点を取りたいところであるが、他のプログラミングコンテストと違い、選手はコンテスト中に順位表を見ることはできない。このため、選手は問題の出題順 (運営の考える難易度順) も参考にしながら難易度を一人で判断し、コンテスト中の時間配分を考えなくてはいけない。
EGOI はプログラムの作成技術を競う大会ではない。技術力があるに越したことはないが、それよりも EGOI で重視されるのは数理的な思考力・洞察力である。競技では課題の本質を見抜く力が問われ、(気づけばそこまで難しくはないものの) 一見して何をしたらいいか分かりづらいような問題も出題された。
(1) 競技規則 : IOI とほぼ同一の競技規則が適用された。
(2) 競技実施方式 : 今年はハイブリッド形式での開催であった。スコアボードは不正行為防止を主目的として、各日競技終了まで役員にのみ公開された。EGOI 2022 で出題された課題は、標準入出力を用いてデータの読み書きを行い、与えられたデータを処理するプログラムを実装した完全なソースファイルを提出する形式と、指定された方法でやりとりを行う関数を実装する形式 (Interactive task) であった。出力ファイルのみを提出する形式の課題は出題されなかった。提出されたソースファイルは競技システム上ですぐにコンパイル・実行・評価される。競技参加者にフィードバックが返され、自分の得点を知ることができる (現在の競技規則では、すべての提出に対して完全なフィードバックがあることが明記されている)。満点でなかった場合は、どの小課題で失点したかを知ることができる。
(3) 競技システム : 競技時間中、選手にはノート PC が 1 人 1 台与えられた。選手の PC には開発環境と、競技システムにアクセスするためのウェブブラウザがインストールされている。
競技システムは、 IOI と同様、CMS が用いられた。インターフェースは簡潔で、また JOIG 春合宿でも使用していることもあり、その使い方については選手が自ずと理解できたようである。
(4) 翻訳 : 競技日の前日の夜には副団長・随行員により問題文の翻訳が行われた。
今年の翻訳システムは近年の IOI と同じもので Markdown 形式で、すべての編集がサーバー上に保存され、システム上から印刷を要求できるなど、使いやすいものであった。日本語フォントに問題があったが、こちらが用意したフォントファイルをアップロードすることにより解決した。