日本選手団 団長 渡邉雄斗
日本代表選手 | |||
銀メダル | 小田華子 | 桜蔭高等学校3年 | |
銀メダル | 沈展帆 | 大阪府立佐野高等学校2年 | |
金メダル | 藤居星 | 北海道札幌南高等学校2年 | |
銀メダル | へファナン色葉 | 兵庫県立宝塚北高等学校3年 | |
日本選手団役員 | |||
団長 | 渡邉雄斗 | 東京大学1年 (IOI 2021・2022選手) | |
副団長 | 米山瑛士 | 東京大学2年 | |
随行員 | 大野栞 | 東京大学1年 (EGOI 2022選手) |
EGOI は個人戦であり公式データとしての国別順位は存在しない。公表された成績に基づいて算出したところ、メダル獲得数による日本の国別順位は 5 位であり、総得点による日本の国別順位は同率 2 位であった。
競技 1 日目 | インフレーション (Inflation) |
パデルの賞品の追跡 (Padel Prize Pursuit) | |
箱を探せ (Find the Box) | |
自転車 vs 車 (Bikes vs Cars) | |
競技 2 日目 | カーニバルの総帥 (Carnival Generals) |
キャンディー (Candy) | |
気送管 (Sopsug) | |
家探しゲーム (Guessing Game) |
いずれも数理的思考力が問われる良問である。各課題はいくつかの小課題に分割されている。小課題の中には、単純な実装で得点が得られるものから、高度なアルゴリズムを実装しないと得点が得られないものまで含まれている。従って 1 つの課題を丸ごと落として 0 点になってしまう可能性は少ないが、満点を取るのは難しい。
また、すべての問題の満点の配点は同じであるため、比較的簡単な問題では満点を取りたいところであるが、他のプログラミングコンテストと違い、選手はコンテスト中に順位表を見ることはできない。このため、選手は問題の出題順 (運営の考える難易度順)も参考にしながら難易度を一人で判断し、コンテスト中の時間配分を考えなくてはいけない。
EGOI はプログラムの作成技術を競う大会ではない。技術力があるに越したことはないが、それよりも EGOI で重視されるのは数理的な思考力・洞察力である。競技では課題の本質を見抜く力が問われ、(気づけばそこまで難しくはないものの)一見して何をしたらいいか分かりづらいような問題も出題された。
(1) 競技規則 : IOI とほぼ同一の競技規則が適用された。ただし、C++ のみが使用できる IOI とは異なり、Python で解答を作成することも許可された。
(2) 競技実施方式 : 今年はハイブリッド形式 (一部の国のみオンライン参加) での開催であった。EGOI 2023 で出題された課題は、標準入出力を用いてデータの読み書きを行い、与えられたデータを処理するプログラムを実装したソースファイルを提出する形式であった。指定された方法でジャッジプログラムとやり取りをする関数を出力する形式の課題や、出力ファイルのみを提出する形式の課題は出題されなかった。提出されたソースファイルは競技システム上ですぐにコンパイル・実行・評価される。ソースファイルを提出した競技参加者にはフィードバックが返され、自分の得点を知ることができる。満点でなかった場合は、どの小課題で失点したかを知ることができる。
(3) 競技システム : 競技時間中、選手にはデスクトップ PC が 1 人 1 台与えられた。選手の PC には開発環境と、競技システムにアクセスするためのウェブブラウザがインストールされている。
競技システムには、 IOI や昨年までの EGOI とは異なり、Kattis が用いられた。
(4) 翻訳 : 競技日の前日の夜には役員により問題文の翻訳が行われた。
今年の翻訳システムは近年の IOI と同じく Markdown 形式であり、すべての編集がサーバー上に保存され、システム上から印刷を要求できるなど、使いやすいものであった。日本語フォントに問題があったが、昨年同様こちらが用意したフォントファイルをアップロードすることにより解決した。