日本選手団 団長 小倉拳
日本代表選手 | ||
金メダル | 井上 航 | 北九州工業高等専門学校3年 |
銅メダル | 清水 郁実 | N高等学校3年 |
銅メダル | 行方 光一 | 筑波大学附属駒場高等学校2年 |
銀メダル | 細川 寛晃 | 灘高等学校3年 |
日本選手団役員 | ||
団長 | 小倉 拳 | 東京大学工学部計数工学科4年 (IOI 2014 選手) |
副団長 | 松崎 照央 | 筑波大学情報学群情報科学類3年 (IOI 2015 選手) |
特別参加選手 | ||
銅メダル相当 | 岸田 陸玖 | 京都市立堀川高等学校3年 |
銀メダル相当 | 平木 康傑 | 灘高等学校1年 |
銀メダル相当 | 米田 寛峻 | 開成高等学校1年 |
金メダル相当 | 米田 優峻 | 筑波大学附属駒場高等学校1年 |
特別参加選手団役員 | ||
団長 | 當眞ジェイソン翔 | 東京大学工学部計数工学科4年 |
副団長 | 松下祐介 | 東京大学理学部情報科学科4年 |
IOI は個人戦であり公式データとしての国別順位は存在しない.公表された成績に基づいて算出したところ,メダル獲得数による日本の国別順位は 12 位タイである.
競技 1 日目 | コンボ (Combo) |
座席 (Seats) | |
狼男 (Werewolf) | |
競技 2 日目 | からくり人形 (Doll) |
高速道路の通行料金 (HighWay) | |
会議 (Meeting) |
いずれも数理的思考力が問われる良問である.各課題はいくつかの小課題に分割されている.小課題の中には,単純な実装で得点が得られるものから,高度なアルゴリズムを実装しないと得点が得られないものまで含まれている.従って 1 つの課題を丸ごと落として 0 点になってしまう可能性は少ないが,満点を取るのは難しい.
また,すべての問題の満点の配点は同じため,比較的簡単な問題では満点を取りたいところであるが,他のプログラミングコンテストと違い,選手はコンテスト中に順位表を見ることはできない.このため,選手は問題の難易度も一人で判断し,コンテスト中の時間配分を考えなくてはいけない.
IOI はプログラムの作成技術を競う大会ではない.技術力があるに越したことはないが,それよりも IOI で重視されるのは数理的な思考力・洞察力である.競技では課題の本質を見抜く力が問われ,(気づけばそこまで難しくはないものの) 一見して何をしたらいいか分かりづらいような問題も出題された.
(1) 競技規則の変更 : IOI の競技規則は毎年少しずつ改訂されている.IOI 2018 における大きな変更点は以下に挙げるものである.
・選手は競技画面から,「全選手の得点のうち,何割がどの問題での得点か」という統計情報を見ることができる.
・各課題の得点は小数点以下四捨五入して整数に丸められる.
(2) 競技実施方式 :IOI 2018 で出題された課題の形式は,全問とも与えられたデータを処理する関数(プロシージャ)を実装したソースファイルを提出する方式 (プロシージャ方式) である.
提出されたソースファイルは競技システム上ですぐにコンパイル・実行・評価される.競技参加者にフィードバックが返され,自分の得点を知ることができる (現在の競技規則では,すべての提出に対して完全なフィードバックがあることが明記されている).満点でなかった場合は,どの小課題で失点したかを知ることができる.
競技の途中経過はスコアボードとしてリアルタイムに全世界に公開された.日本から観戦した人も多くいたようである.ただし,先述のように競技時間中はスコアボードは選手には公開されない.例年では選手が競技時間中に知ることができるのは,自分の得点だけであったが,今年からは全選手の得点のうち何割がどの問題による得点か,という統計情報が新たに見られるようになった.
去年と同様に,プログラム中で実装すべき関数の仕様を言語ごとに説明する「実装の詳細」節は問題文から省かれた.
(3) 競技システム : 競技時間中,選手にはノート PC が 1 人 1 台与えられた.選手の PC には開発環境と,競技システムにアクセスするためのウェブブラウザがインストールされている.
競技システムは,去年の IOI とは違い,CMS が用いられた.インターフェースは簡潔で,また JOI 本選や春合宿等でも使用していることもあり,その使い方については選手が自ずと理解できたようである.
(4) 翻訳 : 競技日の前日の夜には副団長・随行員により問題文の翻訳が行われた.
今年の翻訳システムは Markdown 形式のもので,すべての編集がサーバー上に保存され,システム上から印刷を要求できるなど,使いやすいものであった.Wifi環境にバグがあり,編集サーバーにアクセスできないことがあったが,大きな問題にはならなかった.日本語フォントについては,完全に自然なものであった.