情報オリンピック 夏季セミナー２００９ 概要

• 日時 2009年8月17日（月）〜21日（金）
  　
• 場所 国立女性教育センター（埼玉県比企郡嵐山町）
  　
• 参加者 24名
  　
• スケジュール

   
      8月17日 (月)
        16:00         集合・受付開始
        16:30〜18:30  打ち合わせ・班決め、セミナー(1)
        18:30〜19:30  夕食
        19:30〜22:00  セミナー(2)
        
      8月18日 (火)
         9:00〜12:00  セミナー(3)
        12:00〜13:00  昼食
        13:00〜16:00  講義(1)　 竹添直樹 先生（NTTデータ先端技術株式会社）
        16:00〜18:00  セミナー(4)
        18:00〜19:00  夕食
        19:00〜22:00  セミナー(5) 
        
      8月19日 (水)
         9:00〜12:00  セミナー(6)
        12:00〜13:00  昼食
        13:00〜16:00  講義(2)　西野哲朗 先生（電気通信大学・教授）
        16:00〜18:00  セミナー(7)
        18:00〜19:00  夕食
        19:00〜22:00  セミナー(8) 
        
      8月20日 (木)
         9:00〜12:00  セミナー(9)
        12:00〜13:00  昼食
        13:00〜13:30  国立女性教育会館による講義　
        13:30〜18:00  発表準備(1)　
        18:00〜19:00  夕食
        19:00〜21:00  発表準備(2)
  
      8月21日 (金)
         9:00〜12:00  発表会(1)
        12:00〜13:00  昼食
        13:00〜16:00  発表会(2)
        16:00         解散
  

  
  
• セミナーで使用したテキスト
  1. The Art of Computer Programming 2巻　プログラマの世界に踏み込むためのさまざまな技能が身に付くよう構成された、アルゴリズムのバイブル。第2巻では、乱数、算術演算などの準数値演算を扱っている。
  2. The Art of Computer Programming 3巻　プログラマの世界に踏み込むためのさまざまな技能が身に付くよう構成され、「非数値解析」をテーマとしたシリーズ。第3巻では、ソートと検索を扱っている。
  3. 情報検索と言語処理　ネットワーク社会の必須技術。文書を特徴づける語や句の自動的発見、単語やテキストの類似度計算から、構造的な言語処理との融合の可能性までを探る。この刺激的な分野への、最初の系統的入門書。
  4. 組み合わせ最適化 第2版　グラフ理論、アルゴリズム、最適化、計算理論、線形計画法・・・、ほぼすべての定理に簡潔な証明を示している。検索しやすい記法一覧、問題一覧、アルゴリズム一覧、充実の索引3000項目。原著最新版に対応した完全アップデート版。
  5. パターン認識と機械学習 上　機械学習・パターン認識の根底にある決定理論から始め、ベイズ理論の観点から確率の基礎と様々な確率分布を取り上げている。そして代表的な学習問題である回帰と識別問題をベイズ的な観点から解き明かした後、ニューラルネットワークと共に、学習問題を解くときに必要になる最適化手法を紹介している。
  6. コンピュータの数学　コンピュータに関わる理論を学ぶ際に必須の各種の数学理論について述べた良書。1.漸化式の問題　2.和の計算　3.整数関数　4.整数論　5.二項係数　6.特別な数　7.母関数　8.離散的確率　9.漸近近似。
  
  
  
• グループ毎の発表タイトル
  1. 「パターン認識と機械学習（上）」グループ
     • ベイズ理論
     • 自己組織化マップ
     • パターン認識と機械学習（上）
     • パターン認識と機械学習（上）プログラミングコンテストの分類への応用
  2. 「情報検索」グループ
     • 自動索引付け処理について（２人で共同発表）
     • 検索質問拡大と検索モデル
     • 短絡的に文章を解析して
  3. 「The Art of Computer Programming 2」（その１）グループ
     • 浮動小数点数について
     • モジュラー算術演算とそれによる乗算の高速化について
     • 多倍長乗算の高速化について（デジタル法など）
     • FFTによる乗算の高速化
  4. 「The Art of Computer Programming 2」（その２）グループ
     • 内部ソートの解析
     • 外部ソート
     • ソーティングネットワークとバイトニックソート
  5. 「コンピュータの数学」グループ
     • スターン・ブロコット木 (1)
     • スターン・ブロコット木 (2)
     • ヨセフスの問題
     • 「ヨセフスの問題」の拡張
  6. 「組合せ最適化」グループ
     • パス列挙アルゴリズム
     • 線形計画法（とTSP）
     • 最小木問題
     • ネットワークフロー
     • マッチング
  
  
• 講義概要
  • 8月18日 (火)　13:00〜14:30
  • 講師　竹添 直樹 氏（NTTデータ先端技術株式会社）
  • タイトル　『オープンソースのススメ』
  • 講義概要
    　配布資料の項目名から：
    　　　・オープンソースソフトウェアとは？
    　　　・代表的なオープンソースライセンス／オープンソースソフトウェア
    　　　・オープンソースソフトウェアの普及
    　　　・オープンソースソフトウェアはどのように開発されているか？
    　　　・OSSの開発に関わることのメリット
    　　　・OSSを活用したビジネスの例
    　　　・オープンソースソフトウェアの開発に参加しよう！
  • 8月19日 (水)　13:00〜16:00
  • 講師　西野 哲朗 氏（電気通信大学・教授）
  • タイトル　『計算論的学習理論に基づく鳥の歌文法解析』
  • 講義概要
    　ヒトの高次脳機能メカニズムの解明は、21世紀の科学の主要な研究課題である。ヒトの言語獲得は非常に重要な脳機能であるが、そのメカニズムは未だ解明されていない。多くの鳥の歌文法の研究者たちは、鳥の歌の学習過程と、ヒトの音声言語獲得過程には共通点が多いと主張している。ジュウシマツの歌は他の鳥に比べて複雑で、文法もより複雑なものとなっている。そこで、我々は、計算論的手法を用いてジュウシマツの歌文法を自動抽出し、その性質の解析を行った。具体的には、Angluinのk可逆言語の学習アルゴリズムを応用して、ジュウシマツの歌文法を自動抽出するシステム EUREKA を実現した。このシステムを用いることで、ジュウシマツの個体間の歌文法の比較が可能となり、成長に伴う歌文法の変化を定量的に観察できるようになった。本講演では、この鳥の歌文法解析の枠組みを、EUREKAシステムのデモも交えて紹介する。