情報オリンピック 夏季セミナー２０１６ 実施の概要

• 日時　２０１６年８月２２日（月）午後 ～ ８月２６日（金）午後 （４泊５日）
  
  
• 場所　大学セミナーハウス （〒192-0372　東京都八王子市下柚木1987-1）
  
  
• 参加者　約２５人（予定）
  
  
• スケジュール
  

  スケジュールは変更される可能性があります．最新の情報はこのページでお知らせします．
  
     8月22日(月)
  
      15:30         集合・受付開始
      16:00～18:00  打ち合わせ・班決め，セミナー(1)
      18:00～19:00  夕食
      19:00～21:00  セミナー(2)
      23:00         就寝
  
     8月23日(火)
  
       7:00         起床
       7:30～ 8:30  朝食
       9:00～12:00  セミナー(3)
      12:00～13:00  昼食
      13:00～16:00  講義(1)　秋葉拓哉 先生（株式会社 Preferred Networks リサーチャー）
      16:30～18:00  セミナー(4)
      18:00～19:00  夕食
      19:00～21:00  セミナー(5)
      23:00         就寝
  
     8月24日(水)
  
       7:00         起床
       7:30～ 8:30  朝食
       9:00～12:00  セミナー(6)
      12:00～13:00  昼食
      13:00～18:00  セミナー(7)
      18:00～19:00  夕食
      19:00～21:00  セミナー(8)・交流
      23:00         就寝
  
     8月25日(木)
  
       7:00         起床
       7:30～ 8:30  朝食
       9:00～12:00  発表準備(1)
      12:00～13:00  昼食
      13:00～16:00  講義(2)　小倉拳 先生（東京大学理科二類）
      16:30～18:00  発表準備(2)
      18:00～19:00  夕食
      19:00～21:00  発表準備(3)
      23:00         就寝
  
     8月26日(金)
  
       9:00～12:00  発表会(1)
      12:00～13:00  昼食
      13:00～15:00  発表会(2)
      15:30         解散
  

  
  
• セミナーで使用するテキスト
  
  　数人ずつのグループに分かれてテキストを輪講し，自分たちで考えて議論したり実際にプログラムを作ったりします．セミナーでの勉強の成果を最終日にプロジェクタで発表します．
  　テキストは情報オリンピック日本委員会が用意し，参加者には夏季セミナー会場でお渡しします．参加者が用意する必要はありません．
  　詳細は決まり次第このページでお知らせします．
  
  
  • 『オンライン機械学習』 (海野裕也, 岡野原大輔, 得居誠也, 徳永拓之 (著))
    オンライン機械学習とは，データを一つずつ処理して，逐次学習していく機械学習の方式のことを指します．本書ではその中でも基本的なニューラルネットワーク，サポートベクトルマシン，ロジスティック回帰の三つのモデルを扱っています．セミナーでは，これらのモデルを実際に動かすことを想定しています．必要な事前知識についてはチューターが適宜補うので必要ありません．
  • 『計算理論の基礎 [原著第2版]　3.複雑さの理論』 (Michael Sipser (著), 太田和夫, 田中圭介, 阿部正幸, 植田広樹, 藤岡淳, 渡辺治 (翻訳))
    コンピュータにとって「難しい」，あるいは「簡単な」問題とはどのような問題でしょうか？一口に「難しい」と言っても，それには計算に必要な時間やメモリが小さい，乱択アルゴリズムを用いると解きやすい，ある精度での近似はしやすい等，いろいろな尺度があります．計算複雑性理論とは，このような問題の「難しさ」を，問題を分類することと，さらにその分類の間の関係を調べることで扱う理論です．このテキストは，計算に関する理論のテキストの 3 分冊のうちの 3 冊目の，計算複雑性に焦点をあてたテキストです．証明にその雰囲気が併記されている等，非常に親切で読みやすくなっています．セミナーでは，P や NP （P!=NP 予想という名前を聞いたことがある人は多いと思います）などの基本的なクラスや，NP 完全性を特徴づける Cook の定理等を扱ったのち，ほかの色々な計算量クラスを扱っていく予定です．若干前の分冊の内容に依存する点がありますが，チューターが適宜補うので問題ありません．
  • 『ゲーム開発者のための AI 入門』 (David M. Bourg, Glenn Seemann (著), 株式会社クイープ (翻訳))
    AI を作ってみたいと思ったことはありませんか？このテキストでは，ゲーム AI を作るために必要なAIの基礎的な理論から発展的な遺伝的アルゴリズムやファジー理論などを用いたAIについてまで幅広く解説されています．ゲーム開発者を対象としているため対人に寄った部分もありますが，図やサンプルコードなども豊富で読みやすく，AI の入門に適しています．
  • 『コンピュータ・ジオメトリ―計算幾何学:アルゴリズムと応用』 (Mark De Berg, Mark Overmars, Mark van Kreveld, Otfried Cheong (著), 浅野哲夫 (翻訳))
    本書は計算幾何学の領域の基本的な理論やアルゴリズムをほぼ網羅しています．扱われるアルゴリズムは，ただ純粋な幾何の問題を解くためだけでなく，最適化問題やデータ構造への応用を通じてあらゆる場面で役に立てることができます．競技プログラミングの観点でも幾何は，情報オリンピックではあまり出ない分野ですが，ICPC など他の大会では必ずと言っていいほど出るジャンルです．本の内容だけでなく，関連した論文もいくつか用意する予定です．
  • 『メタヒューリスティクスの数理』 (久保幹雄, Joao Pedro Pedroso (著))
    メタヒューリスティクスとは，難度の高い最適化問題（グラフ彩色問題など）の解を求める経験的手法を組み合わせたものです．本書にはそれぞれのメタヒューリスティクスの理論と実装例が記されており，最適化問題への適用例も書かれています．TopCoder の Marathon 部門など，長期間行われるプログラミングコンテストに興味がある人の参考になるかと思います．セミナーでは，輪講を行うだけでなく，最適化問題を用いたミニコンテストも開催する予定です．
  
  
  
• 講義概要

  夏季セミナー中に情報科学に関する講義を行う予定です．詳細は決まり次第このページでお知らせします．

  • 8月23日 (火)　13:00～16:00
  • 講師　秋葉拓哉 先生（株式会社 Preferred Networks リサーチャー）
    IOI 2006 メキシコ大会 日本代表，ACM-ICPC 2012 世界大会 銅メダル，TopCoder Open 2012 アルゴリズム部門 4 位，Google Code Jam 2010 世界大会 9 位
    『プログラミングコンテストチャレンジブック (第2版)』 著者 (共著)
  • タイトル　深層学習・Chainer 入門
  • 講義概要　画像認識，自然言語処理，音声認識など，機械学習が応用される様々な分野において，深層学習が既存の手法を遥かに凌駕する予測性能を達成することが分かってきました．本講義では，まず深層学習の技術的基礎や応用事例を説明します．次に，Chainer を通じて実際に深層学習を用いる方法について解説します．
  • 8月25日 (木)　13:00～16:00
  • 講師　小倉拳 先生（東京大学理科二類）
    IOI 2014 台湾大会 銀メダル
    
  • タイトル　二分探索(木)から見るアルゴリズムとデータ構造
  • 講義概要　二分探索や二分探索木は，アルゴリズムとデータ構造の分野の中では初歩中の初歩です．情報オリンピックなどの競技プログラミングの中でも当たり前のように使われるアルゴリズムです．しかし，二分探索(木)に関する研究がやりつくされたかというと，そういうわけではありません．本講義では，二分探索(木)に関する有名な問題/未解決問題に触れながら，計算機科学の少し応用的な知識を紹介します．