情報オリンピック 夏季セミナー２０１７ 実施の概要

• 日時　２０１７年８月２６日（土）午後 ～ ８月３０日（水）午後 （４泊５日）
  
  
• 場所　大学セミナーハウス （〒192-0372　東京都八王子市下柚木1987-1）
  
  
• 参加者　約２５人（予定）
  
  
• スケジュール
  

  スケジュールは変更される可能性があります．最新の情報はこのページでお知らせします．
  
     8月26日(土)
  
      15:30         集合・受付開始
      16:00～18:00  打ち合わせ・班決め，セミナー(1)
      18:00～19:00  夕食
      19:00～21:00  セミナー(2)
      23:00         就寝
  
     8月27日(日)
  
       7:00         起床
       7:30～ 8:30  朝食
       9:00～12:00  セミナー(3)
      12:00～13:00  昼食
      13:00～16:00  講義(1)　渡部正樹 先生（株式会社 Preferred Networks エンジニア）
      16:30～18:00  セミナー(4)
      18:00～19:00  夕食
      19:00～21:00  セミナー(5)
      23:00         就寝
  
     8月28日(月)
  
       7:00         起床
       7:30～ 8:30  朝食
       9:00～12:00  セミナー(6)
      12:00～13:00  昼食
      13:00～18:00  セミナー(7)
      18:00～19:00  夕食
      19:00～21:00  セミナー(8)・交流
      23:00         就寝
  
     8月29日(火)
  
       7:00         起床
       7:30～ 8:30  朝食
       9:00～12:00  発表準備(1)
      12:00～13:00  昼食
      13:00～16:00  講義(2)　三谷純 先生（筑波大学システム情報系 教授）
      16:30～18:00  発表準備(2)
      18:00～19:00  夕食
      19:00～21:00  発表準備(3)
      23:00         就寝
  
     8月30日(水)
  
       9:00～12:00  発表会(1)
      12:00～13:00  昼食
      13:00～15:00  発表会(2)
      15:30         解散
  

  
  
• セミナーで使用するテキスト
  
  　数人ずつのグループに分かれてテキストを輪講し，自分たちで考えて議論したり実際にプログラムを作ったりします．セミナーでの勉強の成果を最終日にプロジェクタで発表します．
  　テキストは情報オリンピック日本委員会が用意し，参加者には夏季セミナー会場でお渡しします．参加者が用意する必要はありません．
  　詳細は決まり次第このページでお知らせします．
  
  • 『組合せゲーム理論入門 －勝利の方程式－』 (M.H.Albert, R.J.Nowakowski, D.Wolfe (著), 川辺 治之 (翻訳))
    組み合わせゲームとは, チェス, 三目並べ, Nimなど二人用の対局者が交互に手番を行い, 不確定要素を含まず, ゲーム上の全ての情報が公開されたゲームのことをいいます. こういったゲームは自分でプレイするだけでなく, 競技プログラミングにおいても問題として出題されることがよくあります. 本書では組み合わせゲームに対する数学的な解析手法が, 貪欲法や物真似戦略などの基本的な手法からより専門的な手法まで解説されています. 離散数学や代数の知識を前提としていますが, チューターが補うので問題ありません.
    関連するキーワード: 組み合わせゲーム　不偏ゲーム
  
  
  • 『深層学習 (機械学習プロフェッショナルシリーズ)』 (岡谷貴之 (著))
    深層学習は機械学習の分野の中でも現在最も注目を集め, 目覚ましく発展しているものの一つです. 本書では, 深層学習の基礎となる部分をしっかりと解説した上で, SGD・自己符号化器・CNN・RNN・ボルツマンマシンなど, 最近の深層学習の動向を理解するためにも必要なトピックを幅広く扱っています. セミナーでは, 基礎部分を理解してもらったのち, 各自で好きな発展課題を自由に設定し取り組んでもらう予定です. 深層学習では実装にPythonが用いられることが多いため, Pythonに触れたことがあると参照できる文献が多く実装を進めやすいですが, 他のプログラミング言語でも実装を進められるので問題ありません. また, 本書では数式を用いた説明が多く登場するため, 微分積分や行列, 統計に関する知識があるとより理解しやすいですが, それらを理解するために必要な知識は適宣チューターが補います.
    関連するキーワード: 深層学習　画像認識　自然言語処理
  
  
  • 『劣モジュラ最適化と機械学習 (機械学習プロフェッショナルシリーズ)』 (河原吉伸, 永野清仁 (著))
    劣モジュラ関数とは数十年間最適化分野において重要性が広く認識されている関数であり, 近年劣モジュラ関数の最適化理論の機械学習における重要性が認識されるようになっています. 本書では劣モジュラ関数とは何か, から始まって劣モジュラ関数の最適化の重要性が認識されるきっかけとなった劣モジュラ関数最大化とそのセンサ配置への応用, 劣モジュラ最適化の実用レベルの成功例であり, 競技プログラミングでも度々扱われるグラフカット, 機械学習において重要な概念である正則化などを扱います. 数式を用いた説明が度々登場しますが, 必要な知識は適宜チューターが補うので問題ありません.
    関連するキーワード: 劣モジュラ関数　機械学習　グラフカット
  
  
  • 『純粋関数型データ構造』 (Chris Okasaki (著), 稲葉一浩, 遠藤侑介 (翻訳))
    競技プログラミングでは C++ などの言語を使うのが一般的ですが, それとは全く異なる種類の言語として Standard ML, OCaml, Haskell, F# といった関数型言語があります. ラムダ式, 代数的データ型, パターンマッチング, 遅延評価などの機構により, 多くの複雑なアルゴリズムを簡潔に記述できることが一つの特長です. 純粋関数型というのは厳格な関数型プログラミングのスタイルであり, 変数への再代入が禁じられているということです. 変数に再代入できないというのは大きい制約ですが, 純粋関数型のスタイルで書くことにより, 多くの場合, ちょっとした工夫によって C++ などに劣らないオーダーのアルゴリズムを作ることができ, さらに魅力的なことに, データ構造の永続性という優れた性質が自動的に実現されます. 本書は, 純粋関数型データ構造に関して幅広く丁寧に解説している唯一の解説書であると言えます. アルゴリズムをただ紹介するにとどまらず, 背景や考え方から丁寧に紹介しており, コンパクトながら奥の深い教科書です. しかし, 各章が比較的に独立しており, 夏季セミナーの短い期間でも自分の興味に応じて自分のペースで読んでいける本だと思います. サンプルコードには Standard ML が使われていますが, これを機に関数型言語に触れてみたいという人にもチューターが適宜サポートするので, 気兼ねなく参加してください.
    関連するキーワード: 関数型, アルゴリズム, データ構造
  
  
  • 『HTML5 Canvas』 (Steve Fulton, Jeff Fulton (著), 安藤慶一 (翻訳))
    Adobe Flashの役割を奪っていき, すでに当たり前の技術となっているHTML5のCanvas. ブラウザとテキストエディタさえあればどこでも作成・編集・実行できるため, 例えば情報オリンピックのような全く関係なさそうに見える分野でさえも, Canvasを使いこなせると役に立つ場面は見られます. セミナーでは, 本書を通じて学習するとともに, 本書をリファレンスとして用いて, Canvasを用いてウェブブラウザ上で動くプログラムを作成することを想定しています. プログラムの内容は特に指定しない予定です. JavaScriptの知識が要求されますが, 適宜チューターが補うので, 他のプログラミング言語を知っていれば問題ありません.
    関連するキーワード: HTML5　JavaScript　canvas　Webページ
  
  
• 講義概要

  夏季セミナー中に情報科学に関する講義を行う予定です．詳細は決まり次第このページでお知らせします．

  • 8月27日 (日)　13:00～16:00　(講義1)
  • 講師　渡部正樹 先生（株式会社 Preferred Networks エンジニア）
    IOI 2006 メキシコ大会 金メダル
  • タイトル　ランダムサンプリングの話
  • 講義概要　ものをランダムに選び出したいという話をします．主にMCMC (Markov Chain Monte Carlo) を中心に，関連する話題をいろいろと紹介しようと思います．時間が余りそうだったら他の話もします．
  • 8月29日 (火)　13:00～16:00　(講義2)
  • 講師　三谷純 先生（筑波大学システム情報系 教授）
  • タイトル　プログラミングの楽しさとその可能性
  • 講義概要　与えられた問題を解くことだけがプログラミングの目的ではありません．プログラムによって，綺麗な図形を画面に表示したり，ロボットを制御したり，モノづくりを支援したり，実に様々なことができます．本講義では，おもにコンピュータグラフィックス，紙工作と折り紙，鉄道模型での遊び，という，講師がこれまでに興味を持って取り組んできた内容の紹介を通して，プログラミングによる現実的な問題解決の実例と，プログラミングそのものの楽しさを解説します．